先日の5月4日~6日と第5回新潟劇王が開催されました。
今年の新潟劇王では、県外勢のイチニノさん、高校生の万代高校演劇部さん、前年優勝の中央ヤマモダンさん、劇王前身のえんとつ王で優勝を果たしている劇団ハンニャーズさんによる決勝戦になりました。熱い戦いの末、劇団ハンニャーズさんの優勝で幕を閉じました。
関連企画も盛り沢山で「委員長だって劇王出たいよ企画」として、審査員・中村ノブアキさん書き下ろし戯曲を先川史織さんが演じる一人芝居。場外公演その1では一般応募から“ドブにハト”さんの公演と生田みゆきさんによるワークショップ発表会。場外公演その2では、学生パフォーマンスグループのLITTLE ROCKさんと、本戦出場し惜しくも敗退したシンゲキさんの公演がありました。三日に渡る演劇漬けの内容で、演じる側も観る側も大満喫の内容でした。また、場外公演その2の様子は期間限定で閲覧できるそうです!
さて、新潟劇王は毎年、県内外から団体が参加し、一度にたくさんの演目を観ることが出来る楽しみな場なのですが、出演する方はいつもの自劇団の公演より緊張する、ハードな現場だと思います。
特に大人に混じって参加する高校生の参加団体は、とても緊張したのではないでしょうか?
話は遡りますが、昨年5月の第4回新潟劇王。
その中でも『蜜柑の香る家』で出演した特設劇団wOTOMEさんの存在が個人的に気になっていました。メンバーは高校生らしいけど、違う学校の生徒の集まりらしいし、大人達の多い新潟劇王に出場する意気込みも凄い。
ということでだいぶ遅くなりましたが、高校を卒業してそれぞれの進路に進む直前の、特設劇団wOTOMEさんにギリギリ地元にいる内に取材を敢行!
新しい進路に向かうメンバーと、指導にあたった劇団@nDANTE・劇団ポイニクスの佐藤勇介さんにも途中参加してもらいインタビューをして来ました。
(尚、実は昨年9月にも一回取材をさせてもらったのですが、こちらの機材トラブルで再度取材させてもらうことになった事情があります。本当に申し訳ないです。快く再取材させてもらった特設劇団wOTOMEさんには本当に感謝です。)
【特設劇団wOTOME】
それぞれ高校で演劇部に所属していた関まどか・南清穂・丸山七美・秋山陽奈が、地区大会などを通じて知り合い結成された期間限定の劇団。

○自己紹介
二瓶光 ヨロシクお願いします。
劇団員一同 ヨロシクお願いします!
二 前回は大変申し訳なかったです。またわざわざ集まって頂き有難う御座います。まずは今日のメンバーなんですが、自己紹介をお願いします。
関まどか 関(せき)まどかです。

南清穂 南清穂(みなみきよほ)です。(なぜか大笑い)スイマセン!

二 分かりました(笑)
丸山七美 十日町高校三年、丸山七美(まるやまななみ)です。
二 はい。
丸 小千谷出身でーす。

二 はい(笑)あと今日は来てないけど、秋山(陽奈:ひな)さんもメンバー?
劇団員一同 はい。
二 メンバーですよね。秋山さんも十日町高校?
丸 十日町高校の二年生です。
○特設劇団wOTOME
二 はい。ではwOTOMEさんなんですが、特徴的な名前だと思うんですが、wが最初に付いてオトメと。この名前の由来はどういうことでなったんでしょうか?
関 ああーと、なんというか、全員いわばあまり強くない演劇部出身で、そういう演劇部にいると自分の努力が100%結果に反映されることがなくて、でも演劇で認められたいという気持ちがあるので、演劇に振り向いてもらえるように頑張っている。まるで乙女のような四人ではないですかーということです。
南 それと、オトメっていうのを考えてもらった時に、一文字をちょっと変えるとか、私としてはちょっとそれっぽい感じのことが出来ないかなあって。言葉遊びみたいなことが出来ないかと思った時に、“オ”を“ゥオ”に変えて“ゥオトメ”みたいなのいいんじゃないかと。そう言った後に、“WO”にするんだったら“W”ちっちゃくして“ワラ”っていう、笑いも届けるよとか色々付属品がたくさん付いてモリモリになって“wOTOME”と書いて“オトメ”になりました。
丸 wが付いてなくても読めるから、一部の人には“ダブルオトメ”って言われたりもします。
二 これは誰が考えました?一番最初に。
関 最初、私だったかな。
南 最初、オトメって出してくれたのはまどかさんで。
二 ダブリューは?
南 色々、ごちゃごちゃ言ったのが私。
一同 (笑)
二 なるほど(笑)では結成のいきさつはどういうことで?
関 そうですね、私がハイスクール劇王(※)という大会をたまたまたSNSで見付けて、その大会に是非とも誰かと出たい、でも正直、学校の演劇部の部員とは出られなそう誘えなそうということで、地区大会の一緒にお昼を外で食べていた時かな。お昼を近くのカフェに食べに行った時に二人に「こんな大会があるんだ、良かったら違う学校と一緒に組んでやってみない?」って誘ったら、
南 「おー、いいね、いいね、いいねー」(笑)
丸 そうそう、そう。
関 ……なんていう店だっけ?
丸 先輩から教えてもらった、六日町のオムライスが美味しい店。
関 駅前のオムライス屋さんです。
南 その前から地区大会とかで会って、こんにちはみたいな感じで。
関 仲良かったんで。
丸 (関と南を指し)ここが一年生の時から交流があって、「ああ」みたいな。見かけたら「またまた」「どうもどうも」みたいな感じだったんで、ごはん行こうってなって、その時に。
二 そのハイスクール劇王の時は創作演劇ですよね。作・演出は誰が担当して?
関 私が担当しました。一年ぐらい前にあった創作大会の時から創作を始めて、もう一回15分・20分の劇王の劇を短編演劇を作ってみたいと思っていて、機会を設けてもらいました。
二 その時、結果というか、大会はどうでした?
関 劇王なので、審査員点と観客点を合わせて全体で二位でした。そして俳優賞を私が、関まどかが貰うことが出来ました。
【ハイスクール劇王】
福島県白河市で開催されている高校生による短編演劇の大会。日本劇作家協会東海支部発祥の短編演劇大会「劇王」の高校生版で、劇作・演出・役者・舞台技術のすべてを高校生が担う。第9回ハイスクール劇王
○新潟劇王
二 そして、それが終わった後に新潟劇王に出ることになると思うんですが、これはどういった経緯で出ることになりました?
関 同じ劇をやっても大丈夫なルールだし、せっかくならもう一回リメイクして一か月後に戦おうよ、発表しようよということで、それで引退前最後に新潟劇王に参加しました。
二 これはどこかの推薦とかじゃなくて、自分で応募したということ?
関 そうです。
二 劇王は参加してみて、どうでした?
南 凄い大きな舞台で、今まで学校の中で、学校の演劇部って中でみんなが同じ高校生という立場で、やって見てもらう人も高校生かその親みたいな環境にいた中で、劇王を出たらやっぱり色んな人がいて色んな団体がいて、大人の人がたくさんいる中で凄い緊張したけど、大人の中に混じっているっていう嬉しさとかもありつつ、楽しかったです。
丸 私が一年したら社会に出て行く人になるってことだったんで、私も元々、大人になってから、進学じゃなくて(社会人)劇団とかに入りたいなと思ってたんで、実際の大人の方々がやっている劇団とか見て、やっぱ両立しながら凄い素敵だなって思ったんで、自分がこれに学生の時に参加出来て凄いよかったなって思ってます。
二 簡単でいいので、記事を見ている人で公演を観てない人もいると思うので、どんな公演の内容だったか教えてもらえますか?
関 そうですね、えっと、主人公ハルカがマドカちゃんという、顔がちょっとオレンジがかった、性格が面白い女の子のお家にお泊りに誘われて、そしてお泊り会に行った時の半日の物語です。
二 はい。それぞれメンバーの担当は?
関 私が遊びに行くハルカちゃん。そして(南さんを指し)友達のマドカちゃん兼、飼っているペットのツムギちゃんというウーパールーパーの役もしていました。そして七美さんがそのマドカちゃんちのお母さんの役をしてました。
二 秋山さんは?
丸 ハイスクールの時は、その、まどかちゃんがウーパールーパー役で、んでハルカちゃんを秋山がやって。劇王が(出演者の上限は)三人までっていうルールだったので、ちょっとギリギリ行くっていう。
関 そうですね。ハイスクール劇王観に来てくれた今尾さん(※)さんというりゅーとぴあの方が「これ三人で出来るの!?」って言って。
一同 (笑)
関 新潟劇王では、大忙しでしたね。
二 ウケてましたよね。
関 そうですね(笑)劇王の中では大人の人達の演劇の中にあって、高校生がいるパワフルな演劇は際立ちましたね!
一同 (笑)
二 いや、凄くよかったと思います。
関 ありがとうございます。
二 劇王に出てよかったですか?
劇団員一同 はい。
丸 よかったです。
関 あの、やっぱり大人の人にはかなわないという点もあるのですが、大人の人達の演劇に混じっても、自分達には独特なウケがあるんだなっていうことに気付けてよかったです。
丸 有料な訳だから。
関 そうっすね。
丸 その分の演技をしなきゃいけないということは、部活内ではないけれど……そういう……なんだろ、気持ち?もまたちょっと変わってたんで。まあ自分達の為だけとかそういうのじゃなく、やっぱお客さんにも楽しんでもらうっていう気持ちが大切に出来たから、まあよかったなぁーって思います。
南 ホントにお金が取られるんだっていう、記念で出るとかいうのじゃ済まされないような場だから、ホントに頑張ろうって思って、空回りとかしちゃったんですけど。
一同 (笑)
南 全力でやって、もうやっぱ……楽しかったです。
一同 (笑)
二 ハイスクール劇王の時は完全に自分達だけで、学校の先生とかは関わらなかったでしたか?
関 そうですね。私の顧問の先生も大会で観て「おう、初めてフルで見た」(笑)でちょっと正直、高校生達の力だけでは限界とか、正直大人の人にも一旦作ったものを見てもらいたいなって気持ちもあったので、ハイスクール劇王のちょっと前かな、新潟の方の劇団のAccendere(アッチェンデレ)の岡田さんと@nDANTE(アンダンテ)の越戸さんをお呼びして見てもらいました、一日。
二 見てもらって意見を貰ったってことですね。
【新潟劇王】
日本劇作家協会東海支部発祥の短編演劇大会「劇王」の新潟版。観客と審査員の投票によって勝敗が決められる。https://niigata-gekiou.studio.site/
【今尾博之】
新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)事業企画部演劇企画課長。新潟県高等校演劇地区大会の審査委員も務める。
○佐藤勇介さんの参加
二 で、新潟劇王の時は、今度は佐藤さんが加わるということになると思うんですが、それはどういった経緯で?
関 やっぱりハイスクール劇王では、ほとんど生徒だけで作るっていうルールがあったので、新潟劇王ではやっぱり新潟の中で戦うので、これは誰か継続的に顧問をしてくれる大人の人がいらっしゃるといいなっていう。最高の状態で仕上げて最後新潟劇王で発表したかったので、継続的な顧問が欲しいと思って。そして正直、何人にでもお願いメールをしようと思ったんです。ダメって言われても何人にでもしようと思って、それで一番最初に練習場所に近い所に住んでそうで、尚且つ劇団をやっている、まったく面識はなかったんですが佐藤さんをSNS(笑)で見つけて、ちょっとお願いメールをしたところ一番最初にもかかわらずOKを出してもらえて、そして来てもらえることになりました。
二 どういった感じで……何回か来て意見を貰うみたいな感じなのか、演出をちょっとしてもらうみたいな感じか、どういった感じで入ってもらってたんでしょうか?
関 最初は本当に変なところだけ見て、まるで顧問のようにして見て欲しいと思っていたんですけど、演技指導して欲しいと思ってたんですけど、でも結構練習していくにつれてホントに劇団員の一人として、自分の劇のように大切に一緒に作って下さって、あの本番ではデカいナギナタとかも貸してもらって(笑)それで一劇団員のように一緒に作っていました。
南 「ほら、ちょっとさっきのあの子まだ間違えてるよ」みたいなこと言ってもらって。
関 キヨちゃんに関してはね(笑)
一同 (笑)
南 「ここで出て来るんだよ!」とか、細部までちゃんと分かった上で言ってくれるというか、台本を見ながらここ間違えてるっていうレベルじゃなく、ちゃんと一緒に作ってる人の目線として見てくれて凄く嬉しかった。
丸 佐藤さんが小千谷出身でいいのかな?私達も小千谷なのでちょっと親近感があったんで、初対面だったんですけど、やっぱユーモアのある方だったんで凄くみんなで笑いながら、劇王作れて楽しかったなって思います。
一同 (笑)
二 まあ、大変良くしてくれたってことですね。
劇団員一同 そうですね。
○メンバーのパーソナリティ
二 ではですね、メンバーそれぞれのパーソナリティーというかを聞いていきたいんですが……関さんはいつから演劇を始めました?
関 えーと、そうですね、高校から演劇部に入りました。本当は水泳部のマネージャーとかを考えていたのですが、水泳部が練習してなかったんですよ(笑)それで水泳部どこにいるのかなって探していたら、運よく演劇部の顧問の先生と遭遇し、そしてそのまま演劇部に誘っていただきました。
二 演劇以外で興味があることって、好きなことってあります?
関 工作ですね。あの、今回の小道具とかも結構ほとんどやらせてもらって。あの、美術を小学校から中学校まで習っていたので、色んな材料を扱って立体の物を作ってますね。

二 なんか映画とかマンガとか小説とか音楽とか、これが好きですとかあります?
関 最近なんですけど、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が金曜ロードショーで三週連続で確かやってたんですけれども、それを見ていてその時に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の1かな、CGが多分そこまで発展していなかったんですよ多分その時に。だから凄くちゃっちいとも思えるような映像でもあったんですけれど、こうなんというかタイムスリップの所をCGなしで再現しようとする、その根気というか、色々アイデア出し合ったんでしょう、そういう風に演劇の演出でも、不可能だと思われることでも挑戦して行きたいなって思いました。
二 分かりました(笑)では、南さんはいつから演劇を始めました?
南 私も、しっかり活動というか、生活の一部になったのは、高校生で演劇部に入ったことなんですけど……小学校の時に劇をやって、その時に車に轢かれるシーンがあって(笑)私が主人公で……ちょっと説明省くんですけど、“きよスーパーマン”っていう、えっと、
関 主役した?
丸 主役だね。
南 主役。スーパーヒーローの役をやってて、それがもう三年生から六年生ぐらいまでずっと多分やってたんですけど、シリーズ物で、
劇団員一同 (笑)
南 昼休みにその、教室でそれをやって、他の所から見に来るみたいなこともやってたくらい、ちょっとお決まりのシリーズなんですけど。その時に確か、一回怪人にその、学校にある台車を使って「お前なんて轢いてやる!」って言って轢かれるシーンで、
劇団員一同 (笑)
南 実際にその怪人役の男の子二人が、あっ、学校が少ないので、学年四人しかいないんですけど、学年の二人の男子が怪人のドロンドロンとベロンベロンになって、
劇団員一同 (笑)
南 私が“きよスーパーマン”で、もう一人が「助けてー」みたいな。もうすごい少人数で出来る限りのメンバーを集めましたみたいな。その時に、ちょっとグチャグチャになっちゃったんですけど、ドロンドロンとベロンベロンが押す台車の車で「うおぉぉぉー!」って言って、私が「うわぁー!」ってその直前で轢かれる演技をして、バーンって転んだ時に「うわぁ!」っていう歓声が聞こえて(笑)凄―いってなって。ちゃんと終わった後に「はあ、清穂ちゃん凄かったよ、ホント轢かれたのかと思った!」ってこう、話したこともないような人からたくさんそこの部分を絶賛されて、「あっ凄いんだ」って思って、小さいながらに。ああ、私って車に轢かれるのが上手いんだ、演技楽しいなって思って「私、中学校に入ったら演劇部に入る」って思ったんです。その時は演劇部が中学校にないことは知らなかったので、絶対入るぞ入るぞっと思ってたらなくて、あっないんだって思って、高校選ぶ時に演劇部があるかもって見てて、それで学校入ってすぐ入りました。
関 車に轢かれるシーン、(wOTOMEの公演にも)入れとけばよかったなー。
一同 (笑)
二 演劇以外で興味があること、好きなことありますか?
南 小説とか本は小学生の頃から読んでて、『はてしない物語』っていう本が凄く分厚くて、二部構成というか二つの世界が入り混じるような……ミヒャエル・エンデっていう『モモ』で有名な人が書いてる……多分、これが小学校の中で一番長い本だろうなと思って、その読み切ることを自慢したくて多分読んだと思うんですけど、すっごく面白くて。それと映画とかあんま見てなかったので……金曜ロードショーくらいでしか見たことなかったので、見ていきたいと思ってちょっとプライムビデオに入って、最近それで見てるんですけど。色々なのを見ていて、ちょっとお笑いが面白いなって、最近。
関 結局!(笑)
一同 (笑)
丸 今、お笑いブームだよね。キヨの中で。
南 ちょっと私の中で、ちゃんとお笑いを見ようと思ってМ-1とか見たら、ああーっ!面白いってなって。ちょっと私の将来にも関わるかもなぁーとかチラっと思ったりして、見てる時に。
一同 (笑)
関 М-1出る?
丸 М-1で、相方は誰かな?
南 うーん。ちょっと私に合うような人がいるかどうかっていう。
丸 じゃあR-1だな。
南 っていう感じですね。
二 分かりました(笑)
南 ああ、これから東京に行くので、劇場とか行きたいと思ってます!
二 是非、行ってみてください!(笑)南さんはどんなお笑いが好きですか?
南 М-1がほぼきっかけなので。毎年М-1だけは見てて、家であんまりお笑いを見ない家なので……私、お母さんが東京出身でお父さんが大阪出身で、都会のハーフの田舎者なんです。
一同 (笑)
南 それなのに、自分で偏見言うんですけど、大阪のお父さんがなんかお笑いそんな見ない、そんな面白くないとか言って家であんまりお笑いを見ない家なんですけど、М-1ぐらいは見とかないとって私が思ってて。別にそこまで学校でМ-1の話するかって言われたらしないんですけど、でも世間的にちょっと見ておきたいなって思ってたのでМ-1だけは見てたんですけど……
(ここで佐藤勇介さん登場)

関 拍手でお迎えください!
一同 (拍手)
佐藤勇介 すみません。遅くなりました。
一同 (笑)
二 お疲れ様です(笑)とりあえず、南さん続きを。
南 (笑)М-1ぐらいは見ておかないとって思って、見て面白いなって……今年のが特に面白かったのでもっと見とかないと、今見られるんだからと思って。テレビを買ってもらったのでTVerとかで色々チェックしてYouTubeとかにも過去の漫才とかが上がってるので、そういうの見ていくと、「ああっ、ちゃんとハマっちゃったな」って。今色々見てて、吉本の劇場とか行ってみたいなって、見に行こうと思ってるぐらいです。漫才です!コントも……(この後、劇団員と話が盛り上がる)
二 (笑)じゃあ、丸山さんはいつから演劇を始めました?
丸 南さんと一緒で始めたのは高校生の部活からなんですけど、私も少人数の学校にいたので……昼休みとかに劇はやってなかったんですけど……なんか学習発表会とかの時に、やっぱみんなやるじゃないですか、役とか。やっぱやる気がない人はホントやる気がなくて。だからまあ言っちゃ悪いんですけど結構目立ってて、演技ちょっと上手かったみたいで。
一同 (笑)
丸 上手かったみたいと言っても、小学校とか中学校の中で。なんで、地域の見に来てくれた人からも褒めてもらったりして。割とその表に立って、それこそそういうのが好きだったので。中学は(演劇部が)なかったんで運動部、バレーやってたんですけど……十日町高校に来て、たまたま部活動見学行ってた女の子が一人いて、その子と「ああ演劇部も見てみる?」みたいな感じで全然入る気はなかったんですけど。で、部活が終わるのが6時くらいで5時50分くらいに見に行ってて、なんか三年生の“入って来て欲しい”のが伝わるんですけど、全員が全員喋ってくるから何言ってるか分からなくて、でも何か面白そうだなココってそれで思って、演劇をまた始めました。
二 何か演劇以外で興味があること、好きなことってありますか?
丸 私はちっちゃな頃から歌を歌うことが好きで、親が結構カラオケ行く人だったんで、まあ普通に小学生だったら三時間〜四時間カラオケとか行ってて。高校生になってからも十日町の「ひとサポ」(※)のイベントとかで歌うま選手権とかにも出させていただいたりして、一年生・二年生の時はファイナルまで残ったんですけど。まあ上位には入れなかったんですけど、やっぱその十日町周辺の大人の方との関わりとか、そこで他の学校の上下関係なく仲良くなれたのも、やっぱ歌って凄いんだなあって思って。またそういう大会に出ることはないんですけど、歌を歌うことは自分の中でも大きなマインドだなって思ってます。あと、絵を描くことが好きです。
二 絵はどういった絵を描きます?
丸 キャラクターとか風景画とかじゃなくて、人物とかを描いたりしてます。
二 絵画っぽい感じですか?イラストっぽい感じですか?
丸 イラストっぽい感じです。絵画とかの方が絵は好きなんですけど、自分で描くにはちょっと下手くそだなあって思うので、あんま描かないです。
二 音楽はどんな音楽を聴きますか?
丸 音楽は、母が聴いてた曲とか車の中で流していた曲が結構好きで、最近は車の中で母とBOØWYの曲とか流して大熱唱したりしてます。
二 自分で歌う時はどんな歌を歌いますか?
丸 自分で歌う時は、最近バンドの曲が好きでマカロニえんぴつさんとかSaucy Dogさんとかの曲をよく歌います。
【NPO法人市民活動ネットワークひとサポ】
十日町市民に対し、その市民活動を支援する事業を行い、自立した地域社会の創造に寄与することを目的とする十日町市の活動団体。https://hitosapo.info/
○佐藤さんから見た特設劇団wOTOME
二 佐藤さんに来てもらったので、佐藤さんの話もしていこうと思います。先程、佐藤さんがwOTOMEに加わるきっかけみたいなお話も聞いてたんですが、そういう連絡が来てどういう風な思いを受けましたか?
佐 ちょうど一年前ぐらいですね?(メンバーに確認)ちょっと見返していいですか……えっと……何て返したかっていうと「勇気を出して連絡して来てくれたこと、嬉しく思います」っていうのがあって。自分も劇団を立ち上げて、やっぱ色々と勇気を持って行動しなければいけないことが凄く多かったところで、色々やって来て一年経ったってタイミングでまどかさんから連絡があって、なんとなくチラホラ見てたけれども……SNSでwOTOMEさんたちを……高校生なのに凄いなあみたいな。自分も高校の時に演劇やってたので、そん時にこんなに学校の枠組みを越えてとかコンペティションに応募してみたいなこととかって、全然そんなこと頭にもなかったし、やっぱり自主性がある子達だなあっていう風に見てたのが、まさか自分にお鉢が回って来るとは思わなかったんですけども、
一同 (笑)
佐 ちょうどこの時期「演劇をやるのって、楽しいけど大変だよね」の“大変”の方が大きくなっていたタイミングで、単純にそういう「やっぱ演劇やりたい」って風な形の中でやっている子達に会って、自分の中でもそういう子達と触れ合うというか関わることでなんかこう……「演劇楽しい、本当は」みたいなことを再確認したいなという気持ちもあったので、そういう意味で、あっ、力になりたいなあって凄く大きく思ったのがありましたね。なんか勇気を出して連絡してくれて有難う、というのに尽きるなあというのが正直ありますね。だって会ったことも話したこともないのに。
関 そうですよね(笑)
佐 すげぇなーと思いながら(笑)
二 実際に参加してみてどうでした?
佐 よかったと思ってます、基本的に。
関 やったー(拍手する)
佐 どちらかと言うと、自分が先頭に立って何か色々やりたいっていうタイプでは……ここまでやって来て何をっていう話なんですけど、どちらかっていうと誰かを支えたり応援したりする方が好きなところがあるので、そういう意味では大いに力になりたいなって思うくらい彼女達が演劇に貪欲だったなっていうのが凄く個人的にはあって、“ただの高校演劇”っていう風に思われるのが凄く、勝手ながら嫌だなあっていう。
劇団員一同 うんうん。
佐 そういう意味でこの子達が、タイミング的にも高校生三年生になりたてだから最後の舞台、高校最後の舞台になるかもしれない子達もいただろうし、やっぱその、いい思い出になる為には多分やり切ったなとか、出来ることを最大限発揮出来たなとか、そういう風な経験になったらいいんだろうなって思ったから、そういうところにいかにコミット出来るかっていう風なことを考えて。まあ実際やり切ったんじゃないかなあっていう風なところに、まあそういう高校三年生の最後かもしれない舞台ってところの、真のところに結構関われてよかったかなって思います。
○今後の進路
二 みなさん高校生で今年卒業ということみたいですが、今後どういった進路に行くのかってことと、演劇をこれからもしていくのかってことをお伺いしたいのですが。関さんはどうですか?
関 私は日本大学芸術学部という所の舞台構想コースという、劇を作る側の人達の所で勉強するんですけど、そこに入る一番の目的はやっぱり劇作を学べる所が、まあ日本唯一くらいの所だったっていうのと、あと一緒に舞台技術、音響、舞台監督とかの技術も専攻できるということで、やっぱりこの二つをこれからも頑張ってって、それでまあ勉強しながら、そしてそこの仲間と一緒に活動しながら、これからフリーでやっていくのか、それとも地元に戻って仕事しながら演劇するのかってことを決めながら、勉強しながら決めていきたいと思います。
二 南さんはどうでしょう?
南 私も東京の桐朋学園芸術短期大学の演劇専攻で演技を学んでいくので、そこで私の度量、今まで磨いた力を更に高めたり、自分の度量を知る期間になればいいなと思います。短大で短いので、その間にしっかりついて行って……それで東京に行くので、そこでさっきお笑いの劇場のことも言ったんですけど、お笑いの劇場だけでなく、劇場の色んなジャンルの見せ物というか、感性が吸収出来る街だと思うので、そこで色々吸収したり見たり聞いたり今まで出来なかったことをしていく時間にしたいと思います。演者もたくさんいると思うので刺激を……東京にいる期間とりあえず一番短くて二年間だと思うんですけど、その間に色んな刺激を受けて、二年後私がどんな人間になってるか楽しみです!
関 私達も楽しみです(笑)
南 ああ、バケモノになってたらゴメン(笑)
丸 今よりなってたらどうしよう(笑)怖いもん(笑)
一同 (笑)
佐 今もうバケモノということで(笑)
丸 それでも面白いからいいけど、つまんないヤツにはならないでほしいよね。なんか東京に揉まれて、自分を知って「ああ……」ってなったら勿体ないから。
南 田舎でバケモンだけど東京行ったら「私なんて」ってなっちゃうのは嫌だ!(笑)そう思う、それは思う。毎日思っています(笑)
一同 (笑)
二 丸山さんは?
丸 私は二人と違って進学はせずに(下越方面で)就職なんですけど、就職して大人の方々と関わりながら、自分の社会人としてのスキルを磨きながら演劇も続けたいなって思っています。元々劇団入って役者やりたいなとは思っていたんですけど……何月だったかな?何月かにあったその、妻有のなんとか物語って言うのに、たまたま、ひとサポの方に「スポットライトやってくれない?」って言われて、「当日三つくらいだから大丈夫だよって、後は臨機応変にねって」って言われて、「あっ頑張ります!」って言って、15個くらい増えて(笑)
一同 (笑)
丸 ホントに臨機応変だなって思いながら、凄い頑張ったんですけど。秋山も一緒にやってて。自分もイベント・スタッフとかするのも好きなので、チラシ配りとかそういうのでも、なんかそういう形でも演劇とかに関われるから嬉しいなと思ってます。どっちかっていうと私もサポート役の方が好きなので。
二 新潟市には佐藤さんの入っている@nDANTEさんもあるし。
佐 そっかそっか……まあでも、どちらかというとサポートしたいみたいなことを言う人って希有だと思うので、なんか大体の人間が「役者やりたい、役者やりたい、役者やりたい」みたいな感じなので。いつか自分がやった劇の台詞なんですけど「役者だけやっていけないから。地方演劇は」みたいなのがあって。色んな「あっ、これ私やりたいことかも」みたいなことって別に役者以外も全然あると思うので、そのスタンスは凄い逆に貴重だなって思った。
二 まあ、新潟には若手だけの劇団もあるし、色々あるので、始めは色々見て自分に合うところに入ればいいんじゃないかと思いますよ。
佐 うん。

○最後に
二 それではこのwOTOMEさんという団体ですが、今回一回限りというか二回の公演のみとなった訳ですが、また集まってというのはバラバラになるから無い訳でしょうかね?
関 そうですね。“特設劇団”wOTOMEっていうぐらいなんで、本当に三年生の引退公演はwOTOMEで行こうよっていう気持ちで最初から行ったんで。もうそうですね、こっからは各々の演劇ライフに別れますね……まあ、物理的な距離があるんでね。
佐 続けてれば、どっかで会えると思うよ。演劇人として。
関 来年絶対、劇王に出る!
南 おおー。
(和やかに会話は続く……)
この他にも佐藤さんの公演の感想や、おばあちゃんとメイド喫茶に行った話など、面白い話がたくさんあったのですが、泣く泣くカットさせてもらいました。
劇団員はみんな、これからも演劇とは関わっていくようなので、今後の活躍も期待したいと思います!
☆佐藤さんについて詳しくインタビューした前回の記事はこちら
関連情報
★今年の第5回新潟劇王関連企画として行われた、場外公演の様子はこちら!<場外公演その2>期間限定公開中
★今大会に参加した関係者、お客様からの感想を大募集しています!思いの丈を語ってください!クリエイト・カフェ「もみぢのお茶会」オンライン
(記事公表:2025年5月7日)
インタビュアー【二瓶光】
劇団御の字・concepton代表。県内演劇を上から下まで観に行きたい人。
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